メールマガジンアーカイブ:IT雑学 2024年3月版
普段の移動にバスを利用される方も多いと思いますが、最近、時刻表の変更や減便で不便を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今後も、国内の多くのバス路線で、減便や廃止による影響が及ぶ可能性があるようです。
この問題の背景には、バス運転手の高齢化や、過重労働などによる人手不足に加え、少子高齢化による利用客の減少や、燃料費の高騰、規制緩和による価格競争など、さまざまな問題が影響しており、今後のバス業界が解決すべき大きな課題となっています。
そうした状況の中、バス業界においてもDX導入への取組が進んでいるようです。
その中の一つが、「MaaS(Mobility as a Service)マース」と呼ばれる次世代交通システムです。ICTを活用して、バス、電車、タクシー、飛行機など、複数の交通機関のルートや乗り換え情報の検索から、チケットの予約、支払い、決済までを、移動手段や運航会社に関係なく、ワンストップで提供するシステムです。
MaaSを導入することにより、交通渋滞の緩和や排気ガスの削減、高齢者などの交通弱者の対策にも有効です。
また、「リクエスト型最適経路バス」というサービスも注目されています。
運行エリア内に多数の乗降可能場所を設定し、出発地、目的地など、利用者の要求に応じてAIが最適な経路とダイヤを自動生成して、バスを運行させる仕組みとなっています。利用者は、既存のバス停よりも、希望場所に近い場所で乗降することができ、利用者の利便性の向上とともに、運行時間の短縮が可能となります。
このようなDX技術の活用により、利用者にとって、移動が快適になることだけではなく、高齢者や障害をもつ人々など、交通弱者に対する移動サポート支援が可能となり、事業者にとっても、生産性の向上や利用客の増加に繋げることができます。
将来的には、移動手段の向上だけではなく、医療機関と連携した医療支援体制の拡充や、観光や飲食といった地域産業の活性化、物流・運送業務の効率化など、さまざまな暮らしや社会活動へ広がることが期待されています。